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背中の痛み

背部痛・関連痛 ― カイロプラクティックとオステオパシーの視点から

背部痛(背中の痛み)は、筋骨格系由来のものが大半を占めます。
しかし、椎間関節・椎間板性痛、筋・筋膜性疼痛(MPS)、内臓性関連痛など、原因は多岐にわたります。


筋骨格系由来の背部痛

主な原因

  • 椎間板性・椎間関節性背部痛(Segmental Dysfunction)

  • 筋・筋膜性疼痛症候群(Myofascial Pain Syndrome)

  • トリガーポイント(Trigger Point)による放散痛

  • 不良姿勢や過負荷、ギックリ背中(Acute Thoracic Sprain)

デスクワークでの前方頭位や猫背姿勢により、胸椎・肋椎関節の可動制限(Hypomobility)が起こり、
それに付着する僧帽筋・広背筋・脊柱起立筋
などが過緊張を起こして疼痛を生じます。

また、意外な原因として腹直筋・腹斜筋の過緊張(腹筋トリガーポイント)が背部痛を誘発することもあります。


内臓性関連痛(Viscerosomatic Reflex)

内臓と体性神経は脊髄レベルで収束(Convergence)しているため、
脳が内臓痛を体表痛として誤認
することがあります。

脊椎レベル支配神経の分布(主な支配領域)関連する主な症状・機能障害
頸椎1〜4番(C1〜C4)頭蓋骨内血管、目、涙腺、耳下腺、頭皮、頭蓋底、首の筋群頭痛、片頭痛、めまい、視覚障害、倦怠感、鼻炎・アレルギー、喉の痛み・咳・咽頭炎・喘息、首・腕の痛み、手指のしびれ・麻痺、心臓・高血圧
頸椎5〜7番(C5〜C7)首、肩、肘、腕、手首、手指、食道、心臓、肺、胸部頭痛・めまい、喉の違和感、首肩こり、腕や手の痛み・しびれ、高血圧、呼吸苦、心肺系不調
胸椎1〜4番(T1〜T4)腕、食道、心臓、肺、咽頭、気管背部痛、胸部圧迫感、手・腕のしびれ、胃の不調(胃炎・潰瘍)、高血圧、動悸、呼吸困難、気管支炎、肝・胆・腎機能低下
胸椎5〜10番(T5〜T10)胆のう、肝臓、胃、膵臓、脾臓、腎臓、小腸、盲腸、副腎背部痛、胃腸障害(胃炎・消化不良)、高血圧、呼吸器不調、胆のう炎・黄疸、肝機能障害、腎臓トラブル
胸椎11番(T11)小腸、大腸、子宮背中・腰の痛み、腹部膨満、便秘・下痢、月経痛、消化不良、胃腸炎
胸椎12番(T12)大腸、子宮、臀部背部痛、便秘、腰部のこわばり、生理痛、肝・腎の循環不良、下肢のだるさ
腰椎1〜5番(L1〜L5)大腸、臀部、鼠径部、生殖器、大腿、膝、下腿・足腰痛、坐骨神経痛、足のしびれ・冷え・むくみ、便秘・下痢・過敏性腸症候群、膀胱炎、生理痛
仙椎(S1〜S5)臀部、生殖器、膀胱、前立腺、足・足趾腰痛、足の痛み・しびれ、冷え、むくみ、排尿障害、生理痛、便秘・下痢

安静時痛・夜間痛・内臓症状を伴う場合は、内科的評価が必須です。


メリックシステムと自律神経反射

カイロプラクティックでは、脊椎分節と内臓機能の相関を示す概念として「メリックシステム(Meric System)」があります。
これは、脊髄神経レベル別に自律神経支配臓器を対応づけた臨床的観察モデルであり、
オステオパシーにおける「内臓体性反射(Viscerosomatic Reflex)」と同様の考え方です。


カイロプラクティック的アプローチ

背部痛の多くは**関節可動性の異常(Joint Dysfunction)**に起因します。
そのため、単なる筋肉アプローチでは不十分で、
**関節サブラクセーション(機能的ねじれ)に対するアジャストメント(矯正)**が効果的です。

  • 胸椎・肋椎関節の調整で神経伝達・運動連鎖を回復

  • 肩甲胸郭リズムの改善で筋緊張バランスを最適化

  • 筋膜リリース/呼吸運動調整で全体の循環を促進

これにより、筋緊張・関連痛・呼吸制限の改善が期待できます。


オステオパシー的アプローチ

オステオパシーでは、構造と機能は相互に依存する(Structure governs function)という理念のもと、
背部痛を局所の障害ではなく全身的機能連鎖の乱れ
として捉えます。

  • 肋骨・横隔膜・内臓可動性を整えることで体幹圧力バランスを回復

  • 筋膜・リンパ・血流・神経伝達の正常化を目的にしたソフトタッチ・テクニックを応用

  • 呼吸と自律神経の再調整によって、慢性背部痛にもアプローチ


まとめ

背部痛は単なる「こり」ではなく、
筋・関節・神経・内臓・姿勢が複雑に関与する**全身性の機能不全(Functional Disorder)**です。

カイロプラクティックでは関節機能の回復と神経伝達の正常化
オステオパシーでは体液循環と内臓可動性の調和を目的に、
両者を統合することで構造的にも機能的にもバランスの取れた背中へと導きます。

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