オステオパシーは、1874年にアメリカの医師アンドリュー・テイラー・スティル（Andrew Taylor Still）によって創始された治療哲学および手技療法です。
体の構造（骨格、筋肉、神経、内臓など）と機能（生理学的プロセス）は密接に関連しており、そのバランスが崩れると健康に悪影響を及ぼすという考えに基づいています。
オステオパシーの理念
- 身体は一つのユニットであり、構造と機能は相互に関連している
- 自己治癒力（自己調整力）を重視する
- 治療は身体全体を対象とし、原因にアプローチする
主な治療技術
- 筋骨格調整（マニュピュレーション）
- 頭蓋オステオパシー（クラニアル）
- 内臓マニピュレーション
- 筋筋膜リリース
オステオパシーの歴史
19世紀後半、アメリカで西洋医学が薬物や外科に偏っていた時代に、スティル医師は「体には自己治癒力が備わっている」という概念に基づき、新たな治療体系を構築しました。
1892年、彼はアメリカ・ミズーリ州カークスビルに世界初のオステオパシー医学校（American School of Osteopathy）を設立。
その後、オステオパシー医学はアメリカ国内で医師免許制度に組み込まれ、DO（Doctor of Osteopathy）として認められました。
20世紀初頭にはイギリス、フランス、ドイツなどヨーロッパ各国にも広まり、各国独自のオステオパシー教育機関や国家資格制度が整備されていきます。
現在では、アメリカでは医学博士（MD）と同等の権限を持つ「DO」が医療現場で活躍しており、イギリスやオーストラリア、フランスでは補完代替医療としてのオステオパス（Osteopath）が法的に認可されています。
日本における現状
日本では現在、オステオパシーは国家資格制度の対象ではなく、民間資格・技術として提供されています。
しかし、海外で教育を受けたオステオパスや、日本国内のセミナーを受講した施術者が、整体院や治療院にてオステオパシー技術を用いて施術を行っています。
オステオパシーは「人を診る医療」として、構造と機能の調和、そして自然治癒力を最大限に引き出す統合的なアプローチです。
当院では、現在フランスの教育を受けて知識・技術の研鑽をしています。
